戦略コンサル敗戦記

現職コンサルによる、戦略コンサル転職の経験談と、そこでの学びと苦悩とかとか。ケース面接の練習相手やコンサル転職相談やってます(コチラから⇒con.con.consul@gmail.com)

ビジネスモデルの型を押さえる:「構造化力」を磨くためのオススメ本

ベインの対策記事の中で「構造化」が大事、という話を書きましたが、その構造化力を磨く上でいい本があったのでご紹介します。

事例とケースでわかる ビジネスモデルの基本

事例とケースでわかる ビジネスモデルの基本

 

様々な企業のビジネスモデルを「エコノミクス」という観点で、見事に類型化している本です。

こうした本をしっかり読むと、世の中に会社は数えきれないくらいあれど、ビジネスモデルとしてのパターンはそんなに数はないんだな、ということがわかります。

ある程度パターンが見えてくれば、この会社とこの会社は、業種は全然別だけど、同じ構造でビジネスをやってるな、じゃあ、この会社がやってるこういう打ち手はあの会社でも有効なんじゃないか、とか、そうしたアナロジーの能力が飛躍的に上がります

実際、コンサルとして働いていても、エース級の人たちはある事象を考える際に、普通の人だととても思いつかないような事例を閃いたりします。

それはおそらく彼らの頭の中に膨大なビジネス構造のパターンが蓄積されていて、目の前の問題に対して、構造レベルで共通点や類似点を見ているからこそ気づけるのだと思います。

ケース面接で高度な構造化の能力が求められる局面はそんなにはありませんが、いろんなビジネスの共通項が見えてくれば、課題から打ち手を考えだすときに幅が広がりやすくなります

また、コンサルティングの本ではありませんが、この話に関連して、最近出た以下の本も秀逸です。

デザイン思考の先を行くもの

デザイン思考の先を行くもの

 

電通ハーバード大デザイン大学院出身の建築家・クリエイティブディレクターである各務太郎氏の一冊です。
コンサルタント以上にアイデア力・発想力が求められるクリエイティブの世界の第一線にいる方が、どうやってアイデアを発想しているのか?

彼はその秘訣は「見立てる力」である、と言っています。

全く関係ないものに類似性を見出し、アイデアにつなげる、その思考プロセスを「構造化」と呼ぶかどうかの違いはありますが、極めて近しい知的作業をしているように思います。

 【追記】
なお、ビジネスモデルの図解では以下の本が最近話題ですね。
各ビジネスモデルがきれいに図式化されていて、一気にインプットするには重宝します。ただ、数が膨大なので、この本で「型」を覚えようとするのはけっこう大変かなという印象です。

ビジネスモデル2.0図鑑

ビジネスモデル2.0図鑑

 

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【勉強法、読書術、ケース本】戦略コンサルおすすめ本リスト

久しぶりの更新となります。
今回は私が転職期間~コンサルになってから読んだ本の中で特によかったものを紹介します。
仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法」みたいな有名どころは除いて、あまり取り上げられないけれど学びが多いものを選んでみました。

 

コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法(名和高司 著)

コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法

コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法

 

 多数あるコンサル本で紹介されている●●思考やフレームワークなどの総決算といった趣の本です。

ただ、本書の目的はコンサルの基本となる思考法や仕事の進め方、そこで使うフレームワークを解説することではなく、その限界を示し、それらの思考法やツールの先にある、コンサルが提供すべき本当の価値を提示することにあります。

著者はマッキンゼーでシニアパートナーまで務めた後、BCGのシニアアドバイザーをやるというなかなかレアな経歴の方で、同じ戦略コンサル(の中でもTOPファーム)であるマッキンゼーとBCGのアプローチがいかに違うのかが明解に述べられている点も面白いです。

マッキンゼー、BCG志望の方はもちろんのこと、コンサル業界に飛び込んだ後で知識や心構えを改めておさらいするのにも優れた1冊です。

ちなみに、著者はかの大前研一氏がまだマッキンゼーに在籍していた時に、配下で働いた経験があり、なぜ大前研一氏がコンサルの神様のように語られるのか、一体彼の何がすごかったのか、という点にも触れられている点でも貴重な本です。

 

コンサルタントの勉強法(野口吉昭 著)

コンサルタントの勉強法

コンサルタントの勉強法

 

 あまり有名な本ではありませんが、数多くのコンサル勉強法本の中でも最も実践的といえる一冊だと思っています。

本の中でも触れられていますが、著者の野口氏はマッキンゼーやBCGといったビッグファーム出身ではなく、設計事務所勤務からコンサルに飛び込んだ異色の経歴の方です。

経験がない中、シビアなコンサルの世界で生き残っていくために著者がどんな心構えで、どんな勉強をしてきたのか。そのノウハウが極めて具体的に紹介されています。

特に、集めた情報をいかにして知識に変え、独自の認識や見識レベルまで昇華させるのか、について書かれた部分は非常に勉強になります。

 

一橋MBAケースブック 【戦略転換編】(沼上幹 著)

一橋MBAケースブック 【戦略転換編】

一橋MBAケースブック 【戦略転換編】

 

 コンサルにとって、事例は単語帳のようなものです。
特に若手のうちは、ファクトから瞬時に高尚な示唆を導くなんてことはほとんどできないので、打ち合わせの場でも「この企業はこういうやり方をしてます」という事例を持ちだせるかどうかはかなり重要です。

ケース本もいろいろありますが、分析がアカデミックに寄りすぎていたり、逆に単にファクトを紹介するだけで分析と呼べるレベルになっていなかったり、なかなか「これだ!」といえるものがなかったのですが、この「一橋MBAケースブック」は純粋に読み物として面白い上に、基本的なフレームワーク(4P、5フォースなど)を実際の企業分析でいかに使うのかを学ぶ意味でも優れたテキストになっています(シリーズでもう1冊ありますが、個人的には「戦略転換編」の方が面白いと思います)。

一橋MBA戦略ケースブック

一橋MBA戦略ケースブック

 

 読むに当たっては、普通に読み進めるだけではもったいないので、目次を見てみてある程度自分なりに粗い仮説を作ってから読んでみると面白みが増します。

例えば、「戦略転換編」には最近身売りの話まで浮上してガタガタの「大塚家具」が取り上げられていますが、それがなぜなのか考えてみる、といった感じです。
今でこそニトリIKEAなど格安家具チェーンに押されて売上は恐らく落ちまくっているが、そうした企業が台頭する前には競争力があったんじゃないか。
大塚家具はけっこう高級な家具を扱ってるイメージだから、昔はデパートの家具売り場なんかと競合してたのかもしれない。
高級家具市場でデパートから客を奪って売上を伸ばしたが、そもそも景気が停滞する中で市場全体の単価が低下、価格競争になって苦しくなったのか。
そういえば、ニトリIKEAもSPAだな。大塚家具はどうなんだろう。

といった感じで、各ケースがどういうストーリーなのかをぼんやりと思い浮かべて、そのストーリーに説得力を持たせるためにはどんなデータを、どういう形で見せるのがよさそうか、まで考えてみると、かなり充実したコンサルの自主トレになります。

大前研一氏もマッキンゼーに入りたての頃は毎日の通勤時間に電車の広告を見て「自分がその企業のコンサルを頼まれたら何をやるか」を考えるのを癖にしていた、という話を聞きました(この話の他、大前氏の思考訓練法を知るに当たっては以下がオススメ)。

考える技術 (講談社文庫)

考える技術 (講談社文庫)

 

 ちなみに、以下の「勝ち組企業の『ビジネスモデル』大全」も教科書的に使うには便利な一冊です。一橋MBAに比べると、個々の企業の分析はさらっとしていますが。。。

勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全

勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全

 

 

戦略読書(三谷宏治 著)

戦略読書

戦略読書

 

 BCG、アクセンチュアで活躍し、「経営戦略全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)」や「ビジネスモデル全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)」で有名な三谷宏治氏の読書本です。

コンサルとして突き抜けるために、どんな戦略で読書に臨むべきか、という「読書戦略」が紹介されています。

他のコンサルが読んでいるようなビジネス本ばかり読んでも個性のないコンサルにしかなれない、ポートフォリオを組んで読む本のバランスをとり、読み方も変えていくべき、という主張には非常に納得感があります。

著者の個性が伝わる読書リスト(SFにかなり寄っている)が得られるのも大きなメリットです。

なお、山口周氏の外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術」も優れた読書本です。こちらはより実践的に「コンサルやる上で最低限何を読むべきか」と「その知識を仕事に直結させるにはどうすべきか」がコンパクトにまとまっています。

 

■采配(落合博満 著)、調理場という戦場(斉須政雄 著)

采配

采配

 
調理場という戦場―「コート・ドール」斉須政雄の仕事論 (幻冬舎文庫)

調理場という戦場―「コート・ドール」斉須政雄の仕事論 (幻冬舎文庫)

 

全くコンサル本ではありませんが、プロフェッショナルとして働くことの意味を考える上で読んでおきたい一冊です。

私は前職もかなりハードワークの環境にいましたが、やはりコンサルはハードワークの程度、個々人にかかるプレッシャーが別格だなと日々感じます。

それだけ高い単価をもらって仕事しているので、当然といえば当然なのですが、身体的にもメンタル的にも追いつめられる中で、なんとか続けていくためには自分の中に何かしらの軸ーそれは仕事への誇りとも言い換えられると思いますがーが必要になってくるように思います。

スポーツでも、料理でも、どんな業界でも「本物」と呼ばれる人たちの言葉には、職業を問わずに通用する哲学があり、流儀があります。

こうしたプロ論を読むことの意味は、苦しくなった時に自分を客観視して、もうひと踏ん張りするために意識をワンランク上に持ち上げることにあります。

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外資コンサルと首切りリスク

今回はコンサル就活対策ではないですが、コンサルに転職してから業界について思うことを少し。

私は現在20代後半ですが、最初の会社で3~4年やるとみんな転職したくなるようで、周囲の友人も日系、外資いろんなファームに転職しています。

そういう友人と飲む機会がたまにあるのですが、平日なのに普通に私服姿で現れたので「あれ?今日って仕事休み?」と聞くと、「いやぁ、実は先週クビになってさ・・・」ということが何度かありました。だいたい転職して半年~1年くらいです。

ベイン、ATカーニーあたりは特によくこういう話を聞きます。

外資ファームはすぐ首切られる、というのは新卒の時からよく話には聞いていましたが、実際自分の周囲でこういうことが日常的に起きていると思うと、正直にホントに厳しい業界だなと感じます。

首切りの際はいきなり普段は話す機会もないような役員に呼び出され、何だろうと思ってドキドキしながら役員室に行くと、渋い顔で「本当に残念なことだが、君は〇〇(ファーム名)の求める期待水準に達していないという結論に至った。今から二か月間はプロジェクトにはアサインされないが、給与はこれまで通りに払うので、その期間で次の職を探してほしい」というようなことを告げられるようです。

某ファームでは同時期に10名くらい入ったとして、1年後に残るのは3人前後というのが実情とのことです。

転職エージェントに話を聞くと、仮に半年で首切りにあったとしてもキャリア的には全然マイナスにはならないし、転職先もすぐ見つかるらしいですが、まあ、実際に首切りにあった人の話を聞くと、意を決してコンサル業界に飛び込み、スタートを切ってすぐに、実力も出し切れないまま唐突に「期待水準に達しなかった」という烙印をおされるのは相当精神的にこたえるようです。想像に難くないですね。

私自身はそこまで首切りが厳しくないところにいますが、実際コンサルとして働き始めて、その仕事の難しさを日々痛感する毎日です。

相当に優秀な人を別にすれば、一人前のコンサルに求められる考える能力、それを的確に伝え、相手を動かすコミュニケーション能力などはとても1年そこらで身に付くものではありません。そういう意味でも、半年~1年という短期間で右も左もわからない中でコンサルとしての自分のポテンシャルを示さないといけない、というのは本当にシビアだなぁと感じます。

現在どこのファームも人不足で採用を加速させており、超優秀な人でなくても、大手名門ファームに入るのは簡単ではありませんが、全然不可能ではありません(十分な面接対策、ケース対策をやれば)。

ただ、仮にベインとかに入れたとしても、半年後には再び同じ転職エージェントと次の職探しをしているリスクがけっこう当たり前にある、ということは十分自覚した上でファーム選びをした方がよいと思います。自分もこういう点は自分の転職活動の際には全然考えてませんでした。

転職エージェントは、半年後に首切られようがなんだろうが、入れてしまえば金は入るし、自分の実績になるので、こういう点についてはあまり触れないことが多いように思います。

単に「コンサルにいた」と履歴書に書きたいだけならば全然OKだと思うのですが、コンサルとして基本的なスキルを腰を据えて磨きたいであるとか、様々な業界に触れながら次のキャリアを模索したいとか、そういう希望があるのであれば、選び方の軸も変わってくるのかな、と思ったりしています。

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一番効果的なケース訓練法~小規模ファーム受験のススメ~

転職活動期間を通じて、いろいろなケース対策をやりました。

各ファームの過去問、ここで紹介したような市販書籍、エージェントや友人との対面でのケース練習などなど。

ただ、終わってみて感じたのは結局のところ、「実戦に勝る修行はない」ということです。

どれだけ集中して本などで対策したとしても、ケース面接本番の圧倒的な緊張感、不安とプレッシャーの中で短時間に頭をフル回転させる感覚は再現できません。

そこでオススメなのが、ある程度過去問研究や市販本によって「問題の傾向」「回答の型」に慣れた上で、志望度の低い小規模ファームから受け始める、というものです。

コンサルというと、BCGやマッキンゼーなど誰もが知っている有名ファームが最初に頭に浮かびますが、実はそうした大手ファーム出身者が作った小~中規模のコンサルファームというのがけっこうあります。

こうした中小ファームも多くがケース面接を導入しており、面接官も大手ファーム出身者であることが多いため、本番の雰囲気に慣れるという意味ではこの上ない機会となりますし、ここである程度手ごたえを得られれば大きな自信になります。

また、ケース面接以外の部分でも「なぜコンサルなの?」といった必ず聞かれる質問に対して、いかにポイントをしぼって簡潔に話すかといった練習にもなります。

練習気分で受けるのはどうなのか、という話もありますが、並行して複数のファームを受けるのは普通のことですし、面接での会話を通してそうした中小ファームの魅力に気づくことも少なくないので、遠慮する必要はないでしょう。

ただ、あまりたくさんエントリーすると、連日仕事をしながら夜は面接といったハードな日々が続くことにもなりかねないので、多くても3~4社くらいにとどめるのがよいかもしれません。

具体的な会社名については・・・まあ、エージェントに聞いてみてください。〇&〇とか、○○コンサルとか、いろいろあります。

ちなみに、仮にBCGやマッキンゼーがダメだったとしても、こうした中小ファームで数年やって大手に転身!というパスも普通にあるようです。

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DI(ドリームインキュベータ)選考対策

DI(ドリームインキュベータ)の選考は選考段階によって内容が異なります。

 1次面接は一般的なケース面接ですが、アクセンチュアのように事前にお題が用意されているわけではなく、会話の中で題材を見つけてケースに発展させていくタイプのようです。

私の場合は「趣味は何ですか?」「弓道です」「では、弓道の市場規模とそれと拡大させる打ち手を考えてください(5分)」という流れでした。ここは通常のケース対策を十分にやっておけば突破は難しくないと思います。

 2次は現職(もしくは前職)の職務内容を踏まえたケースになります。通常の面接のように「現職ではどんな仕事をしていますか?」と聞かれて答えると、「では、自分の会社が抱えている経営上の課題は何だと思いますか?」「その課題を解決するためにはどんな打ち手が考えられますか?」といった内容の問答が続きます。対策として、自社の経営課題の洗い出し、外部環境の変化、今後取りうる打ち手などをひととおりまとめておくことをお勧めします。自分の仕事のことだから、と侮っていると、なかなか苦戦します(自戒込めて)。

 また、ケースとは別に「自社で仕事ができる人ってどういう共通点があると思いますか?」といったあまり聞かれない質問が飛んでくる場合もあります。

3次でケースが課される場合もあるようですが、逆質問がメインとなるようです。
3次を突破すると、4次の社長面接⇒内定という流れになります。

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アクセンチュア・ストラテジー選考対策

アクセンチュアの選考はオーソドックスなケース面接となっています。

ケースの前に前職の経験や志望理由など一通りのことは聞かれますが、あまり厳しく深掘りされるということはありません。

ケースについても紙に前提条件や設問がまとめられており、考える時間も10~15分ほど与えられるので、他のファームのスピード感になれていれば易しく感じるレベルです。

ケースの題材については、通常設問が3問ほどあり、順に「市場規模の推定」「市場拡大の打ち手」などを考えていく流れになっていますが、「3問目の設問は無視していい」などの指示が出る場合もあり、面接官によって違います。

回答の上ではまずは売上を構成要素に細かく分解、各要素について向上あるいは削減するにはどういう打ち手が想定できるかを考えた上で、売上へのインパクトが大きそうな打ち手を示す、という流れになります。

受けてみて一番大事だと感じたのは明らかに最初の「構成要素への分解」の部分です。ここをどこまで細かくできるかによって打ち手の粒度が決まってくるので、ここに一番時間をかけて考えるべきでしょう。この分解が粗々だと、「他にないのか?」「こういう打ち手はどこに位置づけられるの?」といったツッコミに苦しむことになります。

逆に、ここさえある程度網羅的にできていれば、打ち手の評価の部分は面接官とディスカッションしながら詰めていけばよいので、かなりやりやすくなると思います。

出題例としては以下のようなものがあります。

【出題例①】

新潟の小さな観光船の会社のオーナーだと仮定。本島から沖合の島の間で観光船を運行している会社で、近年売上が伸び悩んでいる。

  1. 売上がどのような要素から構成されるか分解せよ
  2. 売上を拡大するための打ち手を述べよ

【出題例②】

港区で展開するバイク便の会社だと仮定。

  1. 売上がどのような要素から構成されるか分解せよ
  2. 売上を拡大するための打ち手を述べよ

ケース後にはかなり長めに質疑応答の時間が設けられています。選考に直結することはないでしょうが、あまりに質問がないと志望度が低いのかとも思われかねないので、ある程度聞くことを事前に考えておくといいでしょう。

 

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Bain&Company(ベイン・アンド・カンパニー)選考対策

ベインの1~2次面接は、ケース面接(45分程度)×2となっています。

ATカーニーのように前職の経験についてあれこれ聞かれることはなく、純粋にケースの出来によって合否が決まります。

ベインのケースの特徴として、とにかく時間が短いこと、そして、ケース後にフィードバックが行われることが挙げられます。

時間に関しては、通常のケース面接の場合だいたい5分程度は考える時間が与えられるのですが、ベインは場合にもよりますが3分程度しか時間が与えられない場合が多々あります。純粋に頭の回転が非常に速い、地頭のよい人材を採ろうとしている印象です。

この時間感覚に慣れておかないと、まったく何も考えられないままタイムアップとなりかねません。とはいえ、思考速度は元々の能力に寄る部分が大きいので、暗算の訓練や短時間での対面でのケース練習といった地道な対策をとる他ないでしょう。

もう1つの特徴がケース後に必ずフィードバックが行われることですが、このフィードバックを次のケースに活かすことがとても重要です。1人目の面接官のフィードバックは2人目の面接官に引き継がれるようで、1回目に言われたことをすぐに修正できるかどうかもチェックされます。

なので、例えば1人目の面接で「全体感がない」と言われたとすると、2人目ではとにかく何かしら最初にフレームを設定して全体感を出そうとすることを意識するべきです。2回続けて同じようなフィードバックを受けるとほぼ確実に落ちます。

ケースの題材はマッキンゼーアクセンチュアと同様、紙で用意されていることが多いですが、面接官によっては口頭でお題を出す場合もあります。

以下のような内容が出るので参考としてください。

【出題例①】

「あるビール会社(商品はビールのみで他の酒は扱っていない)の売上が伸び悩んでおり、改善策を求められている」という仮定のもとで、以下に回答
缶ビールの市場規模の推計(5分)
②売上が落ちている要因仮説を出す(準備時間なし)
売上向上の打ち手を出す(準備時間なし)

 

【出題例②】

60人の会社に15万円のコーヒーメーカーを導入した場合に、何日で初期コストが回収できるか?(5分)また、回収期間を短くするための打ち手は?

 

【出題例③】

冷凍食品市場の規模を推定した上で(3分)、拡大させるための打ち手を述べる(準備時間なし)

 

【出題例④】

今インドにスターバックスが一店舗もない状態だと仮定して、これから出店する場合に何店舗ぐらいまで店舗拡大が見込めるか計算(10枚程度紙のデータが渡される)(3分)

フィードバックとして多くの人が言われるのが、やはり「全体感がない」(MECEじゃない)という点です(あと「計算が遅い」というのもありますが、これはちょっとどうしようもないですね笑)。

私もコンサルになる前は、この全体感なるものがどれだけ大事なのかよくわからなかったのですが、働き始めてその重要性がよくやくわかってきました。

コンサルは基本的にいろいろな経営課題に対して「答えはコレです」という情報を提示してお金をいただく商売なので、その答えに対してクライアントから「いやぁ、他にもあるんじゃないの?」とツッコミを受けるのはマズいわけです。

考えられるあらゆる角度から検討した結果、これしかないんです、これが一番いいんです、というのを説得力持って言い切るために、何かしらの切り口やフレームワークによって「これが全体である」というのをまず示す、ということが必要になります。

これから面接に臨まれる方は、ぜひ練習の際に「何かしら切り口/フレームは設定できているか?」「それに抜け漏れはなさそうか?」という点を自問自答しながらやると漠然とやるよりも得るものが多いと思います。

※ここで書いている「フレームワーク」は、よくあるSWOTのような仰々しいものではなく、もっと単純に「外部と内部」とか、「利益=売上-コスト」とか、そういう何かしらの「考えるもとになる枠組み」くらいの意味合いで使ってます。

なお、この全体をしっかり捉える能力を「構造化力」と言い換えることもできますが、この「構造化力」について、元ATカーニー→マッキンゼーの北篠さんという方が秀逸な記事を書かれているので、一読をオススメします。

https://www.movin.co.jp/gyoukai/firmlist/strategy/atk/consultant02.html

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