戦略コンサル敗戦記

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【ケース対策おすすめ本】ケースメソッドMBA実況中継「経営戦略とマーケティング」

以前のブログで「コンサルにとって事例は単語帳のようなもの」と書きましたが、様々な企業の戦略の”型”を押さえておくことが、コンサル実務はもちろんのこと、ケース対策においても重要であることは間違いありません。

MBAで行われるようなケースメソッドによる事例学習ができる書籍はいくつかありますが、1つ1つの事例について十分な背景説明とデータの基に、納得度の高い解説がなされているものはそれほどありませんでした(以前にオススメしたものは以下)。

一橋MBA戦略ケースブック

一橋MBA戦略ケースブック

 

 こうしたケース本の中で、最近出た「ケースメソッドMBA実況中継『経営戦略とマーケティング』」が非常に良書だったので紹介します。

 タイトルに「実況中継」とある通り、名古屋商科大のビジネススクールで教鞭をとる著者(元アクセンチュアIBM)のメースメソッドによる授業が対話形式で収録されています。

書籍の構成としては「理論編」で簡易的に経営戦略論、マーケティング理論を紹介した後に、「実況中継編」としてIBM」「マクドナルド」「LVMH」「ユニ・チャーム」という4社の実際の事例を扱っています。

単純に読み物として読むことで、まとまりのある形で質の高い企業戦略をインプットできますが、使い方としてはぜひケース課題に取り組む時の要領で、自分で各ケースを最大限考えみることをオススメします。

本書がケース対策として優れている理由として「フレームワーク思考を追体験できる」という点が挙げられます。

各企業ケースは、講師である著者と学生との対話で展開されていますが、そこで講師が求めているのは”徹底して型にはまること””フレームワークで考えること”です。

例えば、

講師「2000年代初頭、マクドナルドの売上が低迷したのはなぜか?」

学生「ウェンディーズのような競合が台頭したからですか」

講師「他にもあるよね。何かしら視点・視座が設定できないか?」

学生「市場に問題があるのか、競合に問題があるのか、あるいは、自社に問題があるのか」

という形で、どういう局面で、どういうフレームワークを、どう使うのか、ということを終始考えさせています。

3C分析やファイブフォース分析など、ケース対策をある程度やっている方であれば全員が知っているフレームワークであっても、それを”適切な場面で、使いこなす”というのはなかなか難しいことです。

個々のフレームワークがどういう経緯で開発されたものなのか、何を導くためのものか、実際にはどう使われるのか、そうした使いこなすために必要な理解を読み進める中で得ることができます。

また、アドバンテージマトリックスのように、ケース対策のレベルではなかなか見かけないようなフレームワークが登場するのも面白い部分です。

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https://keiei-manabu.com/strategy/BCC-advantagematrix.html

マイケルポーターの基本戦略をベースにBCGが考案したもので、直感的にはやや理解しにくいですが、このフレームワークの視点は様々な市場や事業を見る上で非常に有用です。

本書はシリーズものになっており、今後別テーマの書籍も出版されるようなので、また内容がよければ紹介させていただきます。

なお、冒頭で紹介した一橋MBA本も最近新しいものが出たので、インプットを増やしたい方にはオススメです。

メルカリやアットコスメなど、比較的新しい企業のケースを収録しており、ケース面接に向けて「山を張る」意味でも使える一冊かなと思います。

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