戦略コンサル敗戦記

現職コンサルによる、戦略コンサル転職の経験談と、そこでの学びと苦悩とかとか。ケース面接の練習相手やコンサル転職相談やってます(コチラから⇒con.con.consul@gmail.com)

【最新】戦略コンサル選考情報(BCG、Bain、カーニー)

久しぶりの記事となります。

以前に各ファームの対策記事を書いてから時間も経ち、傾向・選考内容が変わったところも多いため、直近受けた方の情報から選考情報をアップデートします。

簡易的になりますが、以下、各ファームの選考情報です(2020年後半~年末にかけての情報)

 

ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)

以前、図表読み取りを含むものが出題されていましたが、直近内定した方に聞いたところ、最後まで図表タイプの問題はなかったとの情報がありました。

【1時面接】コンビニエンスストアから1社を選び、利益を2倍にする打ち手を考える

・問題への導入がやや特殊:「特異な業界はどこですか?」⇒「○○です」⇒「では、やったことなさそうなコンビニにしましょう。どのコンビニが好きですか?」という流れ

フェルミなし

・まず論点出しを求められる:「何を考えるべきか、論点を出してみましょう」という感じ

・なお、ケース以外で聞かれたのは、志望動機と転職する理由

【2次面接】中小規模の農薬メーカーの売上拡大施策

・具体的な会社名は提示されない。いろいろと前提条件が示される

M&Aの話へと展開する場合が多い⇒以下の本で対策可

戦略思考で読み解く経営分析入門―12の重要指標をケーススタディで理解する

・農薬はたまに出るので、以下を読んでおくとよい

https://www.bk.mufg.jp/report/indlook2017/Current_Trend_of_Agrichemical_Industry..pdf

【3時面接】日本にある自転車の数と、日本のある自転車メーカーの売上を2倍にする打ち手

フェルミは2~3分で解くことが求められる

・自転車メーカーは自分で選ぶ形:ブリヂストン、とか

ベイン・アンド・カンパニー

WEBテストはGAB形式になったようです。

・EY、ベイカレント等が同様の形式なので練習になる

・対策本は以下など

CAB・GAB完全対策 2022年度版 就活ネットワークの就職試験完全対策

【Web-CAB・GAB Compact・IMAGES対応】 これが本当のCAB・GABだ! 2022年度版 (本当の就職テスト)

1時面接:

①基礎化粧品(化粧水・乳液)の市場規模推定、売上拡大

・時間3分

②オリンピックの放映権の価格設定方法、放映権獲得時の売上推定

・価格設定の考え方には以下に考え方が載ってる

戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策

ATカーニー

オンラインで数枚のPDFで資料を提示されて回答する形。

1時面接:スーパーマーケットの売上拡大

2時面接:自動車メーカーの資料読み解き・売上拡大

・ポルシェ、BMW等複数の自動車メーカーの売上などのデータが提示される

・その資料に基づき、各社がどのような戦略をとっているかを説明

・そのうち、特定の1社を選択、10年で売上を2倍にする打ち手を考える

また追加情報あればアップデートします。

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【戦コンの土台をつくる】思考力を高めるためのトレーニング法5選

今回はケース対策というより、より本質的な「思考力」を高めるためのトレーニング方法を紹介します。

フレームワークを学んだり、思考の土台となる様々な知識をインプットすることも当然重要ですが、情報量ではなかなか差がつきにくい昨今、そうした情報を編集・加工し・リンクさせて、自分なりの結論・言葉に落とす、という能力が重要になってくると思います。

コンサルを始めとした「思考のプロ」たちの著作の中から、日常で取り入れられる習慣・トレーニングをいくつか紹介します。

大前研一:思考回路を組み立てるためのトレーニング(「考える技術」より)

かの大前研一氏が、マッキンゼー入社したての頃に実践されていたトレーニング方法です。

 ・通勤電車で見た吊り広告を題材に「この会社の社長に売上を伸ばしてほしいと頼まれたら、自分ならどうするか」を考える

・次の駅に着くまでに「こうすれば売れる」といった仮説を立て、そのためにどんなデータを収集し、分析しなければならないかなどを頭の中で組み立てる

大前氏の場合、これを毎日繰り返すことで、たいていの問題については、だいたい三分あれば問題解決のプロセスを組み立てられるようになったそうです(それはちょっとすごすぎますが)。

大前氏は上記のトレーニングに加えて、自分の今の仕事の中でできるトレーニングとして「自分が二階級上のポジションにいたらどうするか」を考えることを推奨されています。

係長なら部長、課長なら取締役の立場で考えてみることで、目の前の事象をより経営目線で俯瞰して考える癖をつけることができます。

考える技術 (講談社文庫)

考える技術 (講談社文庫)

  • 作者:大前 研一
  • 発売日: 2009/03/13
  • メディア: 文庫
 

三谷宏治:発見型読書法(「戦略読書」より)

元BCG、アクセンチュアで、「経営戦略全史」などの著作で有名な三谷氏が紹介されているトレーニング方法です。

書籍でも記事でもいいので、何かの情報に当たる際に以下の5つの視点で読むことを推奨されています。

対比:過去の事例や他業態の話と、目の前の情報を「対比」することで、情報に対して客観的なスタンスを築く

反常識:目の前の情報の中で、これまでの当たり前を覆した「反常識」を見つける

数字:情報の中に出てくる数字に着目し、必要なら四則計算してみてインパクトや意味合いを探る

一段深く:目にした情報に対して、疑問点をリストアップして調べる、友人や同僚と議論する

抽象化:情報の抽象度を上げ、本質を考えることで、他の業界とのつながりや差異をはっきりさせる

日々接する情報についてイチイチここまでやり込むのは非現実的ですが、自分が興味を持った・面白いと思ったニュースについて時間をとって、こうした視点で深めてみるのはよいトレーニングになります。

大量のニュースを特に考えもせずにインプットしまくるよりも、いくつか数を絞り、上記のような視点で深堀る方が、思考のトレーニングという意味では間違いなく有益です。

なお、「抽象化」の習慣化についてはSHOWROOMの前田社長も「メモの魔力」の中で言及されています。トレーニングとしてではなく、本当の意味で仕事に活かすための習慣に昇華されているのだと思います。

戦略読書

戦略読書

 

西村博之:会う人を「モデル化」してみる(「無敵の思考」より)

2ちゃんねるの開設者・元管理人のひろゆき氏の方法論です。

彼はいわゆるコンサル的なゴリゴリのキャリアとは無縁の人ですが、徹底した仮説思考の人で、彼の本を読むと、日常を楽しむ・幸せに楽に生きる方法論としての仮説思考を推奨している感があります。

彼は人と会った際に、いくつか質問をしてその人を「モデル化」するそうです。

「こういう仕事で、こういう人は、こういう考え方をするだろう」という予想をぶつけてみて、合っていたら「〇」、間違っていたら「×」で修正する、というやり方です。

これを続けることで、数パターンのモデルが見えてきて、「このパターンにはこう」といった型がわかってくるので、「簡単に頭がよく見せる」ことができる、と言っています。

「仮説思考」というと非常に仰々しい響きがありますが、このように日常生活で当たり前の(しかも楽しんでできる)習慣にすることは一つのゴールなのだと思います。

ちなみに、同書の中で、ひろゆき氏は「長く役に立つ本を読む」ことを勧めており、彼のいう「いい本」の条件として以下の5つを挙げています。

・今後10年以上も影響を与える「技術」や「文化」をテーマとしている

・結論に至る「経緯と理由」に筋が通っている

・「資料」から組み立てられていて、個人の感想を書いているわけではない

・一般的な「常識」とは違う結論や発見がある

・単純に読んでいて「おもしろい」

これはかなり本質的な「いい本」の選択基準であるように思います。

この基準で彼が選んでいるのは、「銃・病原菌・鉄」や「コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった」といった著作です。

無敵の思考 ――誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21

無敵の思考 ――誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21

  • 作者:ひろゆき
  • 発売日: 2017/07/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 ④ちきりん:マーケット感覚で考える(「マーケット感覚を身につけよう」より)

コロナ禍で「Zoom社の時価総額が、航空最大手7社の合計を超えた」ことがニュースになりましたが、そもそもコロナ以前には「Zoomが航空会社の競合」というのがピンとくる人はそれほど多くはなかったのではないでしょうか。

ちきりん氏は5年前に出た「マーケット感覚を身につけよう」の冒頭で、ANAの競合が(zoomのような)ビデオ会議だと気づく能力が『マーケット感覚』であり、それはコンサル的な論理的思考とは異なるものだ」という主張をされています。

具体的に、この「マーケット感覚」を鍛える方法として提唱されているのは以下です。

・プライシング能力を身につける

インセンティブシステムを理解する

・市場に評価される方法を学ぶ

・失敗と成功の関係を理解する

・市場性の高い環境に身を置く

これだけ見ても抽象的でよくわかりませんが、強調されているのは、ブログを書く・アプリを作る・モノを売るなど、何でもいいので、まずは市場の中に身を置いてみて、やりながらその仕組みを学び取ろう、という姿勢です。

⑤山口揚平:メタ思考のための方法論(「1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法」より)

M&Aコンサルで、現在思想家&事業家として活躍されている山口揚平氏の方法論です。

著作タイトルがかなりユルめなのですが、内容は相当本格的な「考えるとはどういうことなのか?」の核心に迫る内容となっています。

山口氏曰く、「メタ思考」とは「対象を一度抽象化して本質に迫り、再度各論に落とす思考のこと」であり、メタ思考を通じて物事の最も重要な因子(レバレッジ・ポイント/ホットボタン)を見つけることが重要と主張されています。

そして、メタ思考で考えるためのツール・手法として、以下の4つを紹介されています

・「MECE」で物事を全体的に整理する

・「二項対立」で物事を正しく分ける

・「ロジックツリー」で物事を分解・整理する

・「ユーザリティマップ」で物事の関係を考える

紹介されているツール自体はいずれも基本的なものですが、重要なのはこういう当たり前のツールをいかに”使いこなし”て本質を考えられるかどうかです。

同書の後半では、山口氏がこうした方法論を基に、様々なテーマ(貨幣、仕事、産業など)について思考を巡らせており、こうした思考法を実践するのがどういうことかを掴むことができます。

 ⑥田川欣哉(Takram):センスを磨く付箋トレーニング(「イノベーション・スキルセット)より」

ここまで紹介してきた左脳的な思考法とは違って、昨今重視されている右脳的なデザイン思考を鍛えるトレーニンです。

著者の田上氏はデザインファームのTakram代表で、デザイン思考に基づく、企業のイノベーション支援を手掛けられています。

田川氏はデザイン思考の基礎となる「センス」を磨く方法として、以下のようなトレーニングを提唱されています。

・青、赤、黄色の付箋を用意する

・何かしら写真や広告の掲載が多い雑誌などを用意する

・写真・広告に対して、「いい」と思ったら青、「ダメ」と思ったら赤、「どっちでもない、わからない」と思ったら黄色をつけていく(即断即決でやる)

・上記を通して、好き/嫌いの解像度を上げて、黄色の付箋を減らす

・また、赤や黄色をどうすれば自分なりの青に変えられるのか踏み込んで考える

今までこうした「センス」を鍛える方法論というのはあまりなかったですし、手軽にできて、かなり実践的な方法論だと思います。

今後、コンサルタントも左脳重視の論理的思考だけでは付加価値が出しにくくなっていくので、こうしたトレーニングによるデザイン思考の基礎づくりも重要になってくると思います。

 

いかがだったでしょうか?

地頭という言い方をすると、なかなか訓練によって変えることができない感じがしますが、地道に日常の中で訓練を習慣化していくことで思考力を高めていくことが(ある程度は)できるのでは、と思います。

取り入れやすいものから、まずは初めてみてはいかがでしょうか。

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【ケース対策おすすめ本】ケースメソッドMBA実況中継「経営戦略とマーケティング」

以前のブログで「コンサルにとって事例は単語帳のようなもの」と書きましたが、様々な企業の戦略の”型”を押さえておくことが、コンサル実務はもちろんのこと、ケース対策においても重要であることは間違いありません。

MBAで行われるようなケースメソッドによる事例学習ができる書籍はいくつかありますが、1つ1つの事例について十分な背景説明とデータの基に、納得度の高い解説がなされているものはそれほどありませんでした(以前にオススメしたものは以下)。

一橋MBA戦略ケースブック

一橋MBA戦略ケースブック

 

 こうしたケース本の中で、最近出た「ケースメソッドMBA実況中継『経営戦略とマーケティング』」が非常に良書だったので紹介します。

 タイトルに「実況中継」とある通り、名古屋商科大のビジネススクールで教鞭をとる著者(元アクセンチュアIBM)のメースメソッドによる授業が対話形式で収録されています。

書籍の構成としては「理論編」で簡易的に経営戦略論、マーケティング理論を紹介した後に、「実況中継編」としてIBM」「マクドナルド」「LVMH」「ユニ・チャーム」という4社の実際の事例を扱っています。

単純に読み物として読むことで、まとまりのある形で質の高い企業戦略をインプットできますが、使い方としてはぜひケース課題に取り組む時の要領で、自分で各ケースを最大限考えみることをオススメします。

本書がケース対策として優れている理由として「フレームワーク思考を追体験できる」という点が挙げられます。

各企業ケースは、講師である著者と学生との対話で展開されていますが、そこで講師が求めているのは”徹底して型にはまること””フレームワークで考えること”です。

例えば、

講師「2000年代初頭、マクドナルドの売上が低迷したのはなぜか?」

学生「ウェンディーズのような競合が台頭したからですか」

講師「他にもあるよね。何かしら視点・視座が設定できないか?」

学生「市場に問題があるのか、競合に問題があるのか、あるいは、自社に問題があるのか」

という形で、どういう局面で、どういうフレームワークを、どう使うのか、ということを終始考えさせています。

3C分析やファイブフォース分析など、ケース対策をある程度やっている方であれば全員が知っているフレームワークであっても、それを”適切な場面で、使いこなす”というのはなかなか難しいことです。

個々のフレームワークがどういう経緯で開発されたものなのか、何を導くためのものか、実際にはどう使われるのか、そうした使いこなすために必要な理解を読み進める中で得ることができます。

また、アドバンテージマトリックスのように、ケース対策のレベルではなかなか見かけないようなフレームワークが登場するのも面白い部分です。

f:id:YogaX:20200505070139j:plain

https://keiei-manabu.com/strategy/BCC-advantagematrix.html

マイケルポーターの基本戦略をベースにBCGが考案したもので、直感的にはやや理解しにくいですが、このフレームワークの視点は様々な市場や事業を見る上で非常に有用です。

本書はシリーズものになっており、今後別テーマの書籍も出版されるようなので、また内容がよければ紹介させていただきます。

なお、冒頭で紹介した一橋MBA本も最近新しいものが出たので、インプットを増やしたい方にはオススメです。

メルカリやアットコスメなど、比較的新しい企業のケースを収録しており、ケース面接に向けて「山を張る」意味でも使える一冊かなと思います。

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【ケース対策おすすめ本】筋の良い仮説を生む問題解決の「地図」と「武器」

久しぶりにケース対策の観点でいい本が出ていたので紹介します。

マッキンゼーで、BBTで最年少執行役員となった高松氏の本です。 

 ケース面接の「教科書」的な位置づけの本としては、以下の細谷氏のものが有名ですが、個人的にはこちらの方がより実戦的で”使える”内容だと思いました。

地頭力を鍛える

地頭力を鍛える

 

 本書は「ケース面接」に特化した本ではありませんが、「問題解決」という大きな切り口で、現状認識→問題認識→情報収集→課題抽出→解決策の方向性→アイデア創出→評価という一連の思考プロセスについて、非常に実戦的な解説がなされています。

このプロセスを見て気づかれたと思いますが、まさにケース面接のプロセスそのままです(情報収集はありませんが)。

こういう教科書的な本だと、どうしても抽象的なお作法の説明だけになってしまいがちですが、架空のスーツ会社の事例を題材に実際に考えながら進めるという構成になっており、ケース面接でそのまま使えそうなフレームワークや分解方法がたくさん出てきます。

特に素晴らしいなと思ったのが、本書に出てくる「事業部長の視点」というフレームワーク

本ブログの中でも、何度か「全体感を持つ」ということの大事さ、難しさを書きましたが(この記事とか)、事業全体を見渡して、ある事象に対する原因仮説を幅広に探る上でかなり使えます。

こうしたフレームワークの要素を意識しなくても網羅できるようになれば、ケース面接対策としてはかなり進んでいるといえると思います。

それ以外でも、思いつきを起点に、ロジカルに拡げるアイデアの出し方、最終的な打ち手の評価のお作法など、これ一冊でケース面接の基本的なステップと考え方は網羅できる形になっています。

使い方として、以下のような問題数が多いケース本を演習用として使いながら、適宜本書を手元に置いて考え方を確認しながら数をこなしていくとよいでしょう。

過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題
 

コンサル転職を検討されている方にとっては、コロナの影響でなかなか転職活動を進めにくい時期かと思います。

先行きは見えませんが、じっくり腰を据えて対策するにはいい期間なので、今回紹介した書籍等も活用しながら対策を進めていただければと思います。

また、ケース面接対策も引き続きオンラインで受け付けておりますので、ご希望の方はコチラからご連絡ください。

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本命の前に受けるべき!オススメ中小戦略ファーム

以前の記事で、BCGなど本命を受ける前に、中小規模のファームを腕試し的に受けるのがオススメと書きました。

早めに面接本番の緊張感・プレッシャーに慣れておくことで、本命の面接を有利に進めることができます。

また、早めに1社でも内定を得られると自信と安心感が得られるので、ハードな転職活動を進める際の精神環境的にもぜひ受けてみることをオススメします。

なお、「コンサル」と名前のついているところでも面接受けてみると、ケース面接がない場合も多々あるので事前にリサーチは必要です。

以下で、ケース面接が課される可能性が高いオススメのファームを紹介します。

フィールドマネジメント

新卒マッキンゼーで、最年少でパートナーに上り詰めた並木裕太氏が立ち上げたファームです。

通常の大企業向けの戦略コンサル事業に加え、自社スタートアップ事業や投資事業も手掛けている点がユニークです。

並木氏以外も、メンバーはマッキンゼー、BCG出身者が多く、選考難易度はかなり高めですが、難関ファームのリアルな難易度が体験できます。

www.field-mgmt.com

なお、並木氏の著作である「コンサル百年史」は、戦略コンサルというビジネスの歴史をざっと概観するには最適な本なので、一度目を通してみてもいいと思います。

また、最近刊行された「ズラシ戦略」も、様々な企業の「事業の”ズラ”し方」の事例がまとまって実際の企業ケースの学習本としてオススメです。

コンサル一〇〇年史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)

コンサル一〇〇年史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)

 

電通コンサルティング

ご存じ電通グループ傘下のコンサルティング会社です。

電通」と名前はついているものの、電通から来ている社員はほとんどおらず、事業会社や他のコンサル会社からの転職者メインで構成されています(ちなみに、博報堂コンサルは博報堂からの部署異動で来た人が多い)。

案件は電通経由が多く、新規事業や成長戦略の案件がメインのようです。

選考ではほぼ確実にケース面接が課されるので、腕試しには非常にオススメです。

www.dentsuconsulting.com

P&Eディレクション

中小企業向けの戦略コンサルやファンドのDD案件などを多く手掛けているコンサル会社です。

社長の島田氏は元BCGで、この方の案件獲得力がスゴいようです。

若手のうちから裁量をもって様々な経験が積める環境のようで、本命がダメだった場合の選択肢としては全然アリだなと思いました。

基本的にケース面接が課されますが、人によっては通常の面接だけで通過する場合もあります。

www.ped.co.jp

エム・セオリー

成長戦略立案に加えて、その実行支援まで並走することを特徴としたファームです。

代表の栃本氏はBCGを経て、モニター・グループの日本支社長を務められた方です。

ほぼ確実に選考ではケースが課せられます。

www.m-theory.co.jp

コーポレイトディレクションCDI

BCG出身者が立ち上げた中小企業の経営支援をメインに手掛けるファームです。

選考の特色として「自社のカルチャーとフィットするかどうか」を非常に重視している点が挙げられます。

中小企業の社長の右腕のようなポジションで仕事するケースが多いようで、「ちょっと腰掛け的にコンサルを2~3年やりたい」という人より「コンサル道を極めたい」という方をとろうとしている印象です。

カルチャーの部分で面接官が「違うな」と思うとケースに至らない場合もあるので(私はそのパターンでした)、あまり気軽に受ける感じのファームではないと思います。

www.cdi-japan.co.jp

コーン・フェリー

外資系の組織コンサルのファームですが、在籍者は元BCG、ベインなど一流ファーム出身者が多く、面接でも通常のケース面接を課されます。

www.kornferry.com

なお、コーンフェリーは最近作家として大活躍の山口周氏がシニアパートナーを務めていたファームでもあります(2019年1月に辞めた模様)。山口氏の著作の中でも以下の3冊はコンサル志望者にはオススメです。

外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術
 
外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック

外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック

 

 なお「ケースの練習」目的でこうしたファームを受けるのは後ろめたいという方もいると思いますが、面接を受ける中で社員の方と話して魅力に気づくということも多々ありますし、面接官の方も大手ファームが本命だということは承知しているケースがほとんどなので、あまり気にする必要はないと思っています。

ちなみに、こうした中小規模のファームで経験を積んでトップティアの戦略ファームに転職したり、PEファンドに行ったりすることも普通にあります。

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戦略コンサル転職対策サービス+オススメ情報源まとめ

今まで戦コン対策、特にケース面接は、体系化された対策ノウハウがあまりなく、数作の対策本や転職エージェントの過去問での対策がメインだったのですが、最近、本格的な対策サービスがいくつか出てきたので紹介しようと思います。

ある程度お金もかかってきますが、戦略コンサル出身者から体系化された形でカスタマイズされたトレーニングを受けられる機会は貴重です(加えて、転職成功すれば大抵年収は上がるので、ある程度の先行投資はアリだと思います)。

戦コンを受けようと思っているけど、そもそもどう進めればいいかわからない方、転職エージェントや本での対策で伸び悩んでいる方は検討してみてはいかがでしょうか?

STRATEGY:BOOTCAMP(ストラテジーブートキャンプ)

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こちらは元ベインで採用担当をしていた方が立ち上げたサービスです。

独自のレクチャー教材を使って、週1~2回のマンツーマンレッスン×週5回の自習のトレーニングで合格ラインまで伸ばす、というスタイルをとられています。

完全成果報酬」(全部に合格できなかったらタダ)というのは思い切ったサービスだなと思いました。

サービス名の通り、ブートキャンプ的にガッツリ対策して伸ばしたい人にはオススメです。

無料カウンセリングをやっているので、興味ある方は受けてみるといいでしょう。

カウンセリング予約はコチラから

考えるエンジン

元BCGで、プロジェクトリーダーまで勤めた方が運営されているサービス。

合計30時間以上でプログラムが組まれており、ケースの実践演習はもちろんのこと、「論点設計」「示唆の抽出」といったコンサルの基本(だけど一番難しい)部分に踏み込んで「考える力」を伸ばす点に主眼が置かれています。

トレーニング教材も販売されているので、市販のもの使いつくしたら使ってみるのもいいかもしれません(高いけど)。

こちらも無料相談対応されているので、気になったら一度話を聞いてみるといいでしょう。

www.kanataw.com

 Liiga Consultant Bootcamp

こちらはハイクラス向け就活サイトの「外資就活ドットコム」が運営するサービスです。

「短期集中型戦略コンサルタント育成プログラム」を謳っており、約2カ月全8回の講義でケース対策に加えて、書類選考対策、筆記試験対策までタダでやってくれるという大変ありがたい内容だったのですが、現在は受付を終了しているようです。

また、募集を開始する可能性はあるので、たまにチェックしてみるとよいでしょう。

なお、参加するためには選考に参加する必要があり、筆記のケース問題が課されます。前回の問題は以下のような内容だったようです。

①日本の1年間のビニール傘の販売方法は?

②ビニール傘製造会社に、売上向上のコンサルをするとしたら、どの要因に取り組むべきか?

③ビニール傘を「商品」ではなく「サービス」として売るとしたら、どういう売り方が良いか?

bootcamp.liiga.me

【おまけ】コンサル対策に役立つアカウント

戦略コンサル対策やコンサルの働き方・ライフスタイルについて発信されている方のアカウントをまとめました。

コンサル関連の話題・情報収集に役立ててください。

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【外資戦略ファーム内定者】選考体験記②

前回に引き続き、外資戦略ファームの内定を勝ち取った方の「選考体験記」を紹介します。

ケース面接対策にかけた期間・受けたファーム数

約半年間、3社

ケース面接の対策方法

以下の3点を意識して進めました。

1) 型を身につける
まずは、「ケース対策とは何か、どのように解くべきか」といった基本的な考え方や所作をインストールするために、後述のような書籍を数周しました。
 
特にフェルミ推定は、アプローチをパターン化することが可能ですし、本番で与えられる時間も短いので、ある種条件反射的に解けるレベルまで反復すると良いと思います。
 
2) 理想と現実のギャップを知る
書籍の練習はもちろん有効ですが、やはり本番とは異なるものです。
本番では、面接官からの鋭い質問に対し自分の考えを伝え、議論を深めていかなければなりません。
 
そこで、コンサル太郎さんとの練習などで、どのような質問が飛んでくるのか、どの程度のレベルが求めれているのか、自分の改善点は何か、といった理想と現実のギャップを知るという作業を行いました。
 
これは、月1程度で定点観測的に行っていました。
 
3) 理想に近づくべく、練習を積む
2) で把握した理想に達するべく、本番を模した練習をひたすら積みました。具体的には、ニュースを題材にしたケース問題を友人と週に数回解き、お互いに質問し合うなどしていました。
 
※これは、一般面接で頻出の「最近の気になるニュースは」「自分の興味のある業界の日本企業が世界で勝つためには」
といった質問の対策にもなるという副次的な効果もありました。

ケース面接対策に使った本

1) 現役東大生が書いた 自頭を鍛えるフェルミ推定ノート
やや解説が浅かったりする部分はあるのですが、上述のように型を身につけるための入門書としては最適の本かと思います。
 
2) 過去問で鍛える地頭力
東大生シリーズより難しく、問題数も少ないですが、解説がかなり充実しており勉強になりました。
 
3) 思考・論理・分析
こちらは、ケース対策本として書かれたものではありませんが、ケース対策本の解説の背景にある本質的な考えを学べます。
過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題

過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題

 
思考・論理・分析―「正しく考え、正しく分かること」の理論と実践

思考・論理・分析―「正しく考え、正しく分かること」の理論と実践

 

内定を勝ち取れたポイント

前職で成果を出せるようコミットしていたということは前提に、やはり準備を徹底できたことだと思います。
 
当然、相性などのコントロールが難しい部分も多少ありますが、多くは事前の対策が可能であるはずです。
私も自分なりに納得のいくまで準備をしてから面接に望んだ結果、練習通りの展開に進んだというシーンも少なくありませんでした。
 
なお、準備を徹底できたのは、転職に対してポジティブなモチベーションを見つけられたことと、モチベーションと実力を引き上げてくれた仲間(コンサル太郎さんや友人)の存在があったことが、私の場合は大きかったと思います。

選考を終えての反省点

同じ戦略ファームでも、会社(または人)によって特徴がやや異なる(かなり詰めてくる方が多い等)ので、各社に合わせた対策をもっと行えば良かったと思います。

これから受ける方へのアドバイス

月並みですが、転職活動の結果を左右する最も大きなレバーは、「準備」かと思いますので、自分に合った準備のやり方を見つけ、それを継続することが最も重要かと思います。

この方は、書籍を中心とした「型」への習熟→それを基にした実践練習に意識的に取り組まれたことが大きな勝因になったように思います。

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