戦略コンサル敗戦記

現職コンサルによる、戦略コンサル転職の経験談と、そこでの学びと苦悩とかとか。ケース面接の練習相手やコンサル転職相談やってます(コチラから⇒con.con.consul@gmail.com)

マッキンゼー・アンド・カンパニー選考対策

マッキンゼーの一次面接では、経歴に関する質問に簡単に答えた後、ケース面接が行われます。これが連続2回行われるので、なかなかハードです。

経歴に関する質問については、ATカーニーほど時間をかけて行われるわけではありませんが、短時間でポイントをしぼって話すことが求められます。

ATカーニーの貢にも書きましたが、今までに経験した仕事の中から自分が話しやすいと思うものをいくつかピックアップして、その経験をいろんな角度から話せるように準備しておくとやりやすいです。

具体的には、以下のような形で聞かれるので参考にしてください。

・今までに経験した仕事で、自分と意見の違う人、抵抗勢力のような人たちを動かした経験はあるか?

・今までに経験した仕事で、リーダーとして他の人間をまとめながら業務を進めた経験はあるか?

ちなみに、2人目の面接官の時は「1人目とは違うケースを話してね」と指定されます。

話し方のポイントとしては、いきなりエピソードを話し出すと長くなってしまうので、まずは簡潔に「◯◯の仕事でリーダーシップを発揮しました」ということを述べた上で、「具体的にどういう点でリーダーシップを発揮したかというと〜」という流れで詳しく話すとよいと思います。

とにかく「ポイントをしぼる」「簡潔に」を意識してください。

 

次にケース面接についてですが、「○○の市場規模は?」といったタイプのケースではなく、データと設問を紙で与えられた上で、設問ごとに面接官とディスカッションしながら進めていくタイプの面接です。

そのため、ケースを進める上でまず必要なのは「与えられたデータを素早く、正確に読み取る力」です。

私は前職でけっこう調査業務も経験したため、わざわざデータ読み取りの対策はしなくても大丈夫だろう、という意識で通常のケース対策だけして臨んだのですが、これが大失敗でした。

マッキンゼーで扱うケースは大抵多国籍企業でデータ量が多く、しかも英語で書かれているので、「そもそもこの指標って何なんだっけ?」みたいなことが起こりえます。

安全を期すなら経営管理系の本を活用してデータ読み取りの練習をした上で臨んだ方がよいでしょう。

 

戦略思考で読み解く経営分析入門―12の重要指標をケーススタディで理解する

戦略思考で読み解く経営分析入門―12の重要指標をケーススタディで理解する

 

 具体的な題材と質問は以下のようなものなので参考としてください。

【問題例①】
・グローバルの飲料メーカー(コカ・コーラのようなイメージ)
・紙パック、アルミ缶、ペットボトル、ガラス瓶などの商品を持っている
・販売する国ごとに、パッケージ(アルミ缶など)は別々のサプライヤーから仕入れている
・最近コストが上がっており、社長の意向としてコスト削減をしたい
 
①(アルミ缶のコストがイシューだと仮定し、各国ごとのアルミ缶の製造コストのデータが記されたペーパーが渡されて)まずどんなことを調べるか列挙して
②この表から何が言えるか⇒そのファクトに基いてどんな提案ができるか
③計算問題⇒その結果から何が言えるか
 
【問題例②】
・グローバルのコスメティックメーカー
・カラーコスメ、スキンケア、フレグランス、ニオイ消し、ヘアケアの5種類の商品領域を持つ
・チャネルはダイレクト(訪問販売とEC)のみで、広告なども行っていない
・売上の高い国は順に、ブラジル、アメリカ、メキシコ
・長らく10%程度の成長を続けてきたが、近年5%程度に落ちている
・この会社から成長戦略の立案を求められた。
 
①(販売している国の「売上」「利益」「市場成長率」「市場成長に対する、このメーカーの成長度合いを示すインデックス」が示された表が呈示された上で)どんなことを調べるか列挙して
②(5種類の商品領域別に「直近の売上」「過去5年間での売上増減」「その売上増減のうち、チャネル要因が占める金額」「その売上増減のうち、シェア要因が占める金額」が書かれた紙が渡された上で)この表からどんなことが言えるか
③社長が今後三年間毎年10%の成長を続けたい、と言っている場合、このデータをもとに何が言えるか。

 

 自分の反省踏まえたアドバイスとしては「まず全体感を簡潔に示す、その上で各論に入る」ということを徹底することです。

私の場合はいきなり「ブラジルの利益率が一番低く、ここが問題です」といった入り方をしていたので、「地域によってかなり利益率の幅があり、利益率の低い地域にテコ入れすることが必要だと思います」と置いた上で「例えばブラジルを見てみると~」と話すとだいぶ印象が違ったかなと後から思いました。

こうした話し方の点の部分はなかなか自分だけでは対策が難しいので、エージェントを活用したり、友人に相手役を頼んだりして対策するのがよいでしょう。