戦略コンサル敗戦記

現職コンサルによる、戦略コンサル転職の経験談と、そこでの学びと苦悩とかとか。ケース面接の練習相手やコンサル転職相談やってます(コチラから⇒con.con.consul@gmail.com)

【決定版】戦略コンサル対策本リスト

コンサルの対策本はそんなに数がないので、概ね使えるものは決まってきます。

以下で転職活動中に、エージェントや現役コンサルの方からオススメされた対策本を紹介します。

ケース対策本

①「過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題」(大石哲之) 

過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題

過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題

 

 アクセンチュアの戦略グループ出身の大石さんによるケース本。問題数が20問しかなく、問題集としては物足りなさを感じるのだが、ひとつひとつのケース問題に対して「どこに着眼するのか」「どういうプロセスで考えるのか」「他にアプローチはないのか」といった思考のプロセスが丁寧に解説されている。

ケースはいきなり数をこなしまくってもなかなか上達しないので、この本に書かれているような「ケース問題を解く上での『考え方の型』」のようなものをまず学んだ上で、他の問題集系の本やエージェントとのケース練習で数をこなして慣れていくとよいと思う。

使い方としては、すぐに答えをみてしまうと価値が半減するので、わからなくてもわからないなりにいくつか回答の方向性を考えてみてから解説を熟読するとよい(全然わからない状態でなんとか答えをひねり出す(あるいはでっちあげる)技術は実際の面接では非常に重要)。

②「現役東大生が書いたフェルミ推定ノート」「東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート」(東大ケーススタディ研究会)

問題数が多いので、ガンガン数をこなして慣れるのに使うのに最適。ただ、見てもらえばわかるが、いかんせん解答の質が低い(エージェントも「あの本に書いてあることを面接でそのまま言うと間違いなく落ちる」と言っていた)ので、解答はあくまで参考程度に。 

③戦略コンサルティング・ファームの面接試験(マーク・コゼンティーノ)

戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策

戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策

 

ハーバードの就職課の人が書いたコンサル志望者の定番本。問題数も多く、実際の面接官とのやりとりが掲載されているので、本格的なケースの雰囲気を感じることができる。ただ、難点は課題文だけ読んでも答えに行き着けない(答えとなっている面接官とのやりとりの中で追加情報が開示される)場合が多く、自習用に使いづらい。

私は自習用のような形で使ってしまったが、できるのであれば、友人なり転職エージェントなりに本書を渡して面接官役をやってもらいながら進めるのがベスト。

収録されているケースはどれも設定が細かく、難易度は高い。本書に収録されているようなデータがある程度与えられ、それに基づいてケースを展開するファームは、マッキンゼー(設定が複雑でムズい)、ベイン(設定はマッキンゼーよりシンプル)、ATカーニー(面接官によってはデータ系じゃないことも)、アクセンチュア(易しい)などだが、典型的な「○○の市場規模は?」といったケースとは別の難しさがあり、これはこれで十分に慣れた上で受けた方がよい。

ちなみに、似たような表紙の「戦略コンサルティング・ファームの面接攻略法」(ビクター・チェン)という本が出ているが、本書に比べて収録問題数が少なく、フレームワークの話に終始しており、活用価値はあまり高くないと思った。

 

以上3冊を挙げたが、オススメというより現在世に出ているケース対策に特化した本がこれくらいしかないのが現実。まともに対策していると上の3冊では間違いなく問題数が不足する。その場合は、エージェントに各ファームの過去問を見せてもらってそれを解くことに加えて、以下のようなサイトでケース対策本を販売しているのでそれらを使ってみるのもあり(少々高いが。。。)。

外資コンサル・金融面接対策の決定版 | Strong Career [ストロングキャリア]

ケーススタディ解答集、例題集 | 戦略コンサルタント ケーススタディ対策

その他対策用に読んだ本

①IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ(冨山和彦)

IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ (PHPビジネス新書)

IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ (PHPビジネス新書)

 

経営共創基盤CEOの冨山和彦さんの著書。一流のコンサルタントがどういう目線で経営を見ているのかを知ることができる。これ一冊読んで面接ですぐ役立つというものではないが、コンサルに必要な技能、姿勢、考え方など内容は非常に濃く、たぶんコンサルになっても何度も読み返すことになりそうな一冊。

②「もしも、あなたが「最高責任者」ならばどうするか?」(ビジネス・ブレークスルー大学総合研究所)

 大前研一さんのケース本。タイトルの通り「もしも、あなたが○○の社長だったらどうする?」というケース問題がたくさん収録されており、それぞれに大前研一(あるいはBBT大学の誰か)が考えた解答がついている。

正直、解答の中には「おいおい」というようなものも含まれるが、様々な業界について現状を分析し、今後どういう変化が起こるのかを踏まえつつ、打ち手を検討することができるという意味では活用価値は高いので、ケース問題系の本を一通り終えた後に取り組んでみるといいと思う。

③「戦略思考で読み解く経営分析入門」(大津広一)

戦略思考で読み解く経営分析入門―12の重要指標をケーススタディで理解する

戦略思考で読み解く経営分析入門―12の重要指標をケーススタディで理解する

 

アカウンティングを勉強する人のための本だが、実際の企業を取り上げて決算書から現状を分析、課題を見つけ出し、今後の打ち手を検討する、というプロセスはコンサルティングの思考そのままなので、コンサル対策という意味でもかなり使える。

ただ、けっこうボリュームがあるのと、「固定長期適合率」などよくわからない指標の話になるとコンサル対策としてはトゥーマッチな気がするので、前半の利益率や損益分岐点比率など、基本的な項目だけ熟読すれば十分だと思われる。

④「意思決定のための『分析の技術』」(後正武)

マッキンゼー社内で用いられている分析の技術について網羅的に解説したもの、らしい。 

ケース面接を何度も経験して「打ち手のよしあしよりも、打ち手を考える「枠組み」をどう設定するか?の方が大事」ということを強く感じたが、その枠組みの設定の仕方、ある物事を考えるに当たっての「切り口」をどうするか?という点についての様々なノウハウを学ぶことができる。

 

以上、コンサル対策本として読んで、特に役に立ってと思うものを紹介させていただきました。なお、WEBテスト、筆記対策についてはこの記事にて触れています。